壁は真っ白な色をしていた。壁だけじゃない、床も天井も目に眩しいほどに真っ白な色をしていた。そこはなにもない空間だった。広さで言ったらたった三畳ほどの狭い狭い空間。寮の自室よりもよほど狭いその空間に気がつけば鉄哲たち四人は立っていた。 「なん、だ……、ここ」 「は? は? なに、これ」 「おい、大丈夫か爆豪」 「平気だくそが」 なんだかよくわからない。 けれど、どうやら四人全員に怪我自体はないようだ。鉄哲が辺りを見渡せば、同じように物間たち三人もきょろきょろと辺りを見渡していた。真っ白な部屋にはなにもない。四人と、四人が持っていた荷物以外なにも。 だから、四人はすぐに気がついた。白いばかりの部屋の一面だけの壁に文字が浮かんでいることに。そこには目に眩しいほどに真っ白すぎる壁に反して、真っ黒すぎる文字でこう書かれていた。 『この部屋を出たくばセックスをしなければならない』 「なんだこりゃ?」 「セッ、え、なにこれ?」 「おい……、まさか、これって」 「もしかして、ここ最近ニュースでやってる……?」 意味がわからずに鉄哲と切島は首をかしげた。 その横で爆豪と物間はなにか思い当たる節があるような様子で目を見開く。 「おい、なんだよこれ。おめぇら心当たりあんのか?」 「爆豪? わかんのかこの状況」 「……てめぇらはニュースの一つもまともに見ちゃいねぇのか」 「……はぁ〜あ、今回ばかりは君と同意見だよ」 自分たちとは少し違った反応の仕方に鉄哲と切島はさらに首をかしげながら二人が問いかけると、爆豪が呆れたようにため息をつき、物間はやれやれと首を振ったあげく爆豪に同意するように肩をすくめる。 まさかあの物間が爆豪の意見に同意するなんて……。鉄哲は驚いたが、しかしいまはそこに反応している場合じゃない。 「なんだよ、そのニュースって」 「最近ニュースで話題になってるんだよ、いきなり真っ白な部屋に押し込まれたと思ったら提出されたお題をクリアしなきゃ出られない、って言うみょうちくりんな事件がね」 「はぁ? なんだその事件」 「さぁ、僕もニュースでしかよく知らないけど」 そう言って物間はさらに続けた。 ここ最近ちょくちょく起こっているらしい事件のこと。 その事件とは、外を歩いていると突如として真っ白で小さな部屋に閉じ込められたかと思えば、とあるお題をひとつ提出されるというなんとも奇奇怪怪な事件なのだという。 お題の提出方法はいままさに鉄哲たちの目の前にあるように、真っ白な壁に黒い文字で浮かんでくるらしい。だが、どうやら書かれている文字は、○○の部分が人によって違うとのことだ。たとえば「握手をしなければ出られない部屋」だとか「相手の嫌いなところを3つ上げなければ出られない部屋」だとか「1時間経たなければ出られない部屋」だとか……。 共通しているのは、三畳ほどの狭く真っ白な部屋であること、とにかくなにかしらのお題が一つだけ提出されること。そして真っ白なその部屋を出るには、提出されたお題をクリアしなければならないらしいということ。 「らしい、って……、なんだよ曖昧だな」 「仕方ないじゃないか。誰かの個性の仕業なんだろうけど、犯人がまだ捕まってないせいで正確な仕様がわからないんだから」 「もしお題をクリアできなかったらどうなんだよ?」 「さぁ? いまのところ、白い部屋に閉じ込められたって言う人たちはちゃんと出されたお題をクリアして脱出することができたらしい。少なくとも、被害にあったって報告してきた人たちはね」 「……じゃあ、もしかしたらお題をクリアできずに閉じ込められたままっていうやつもいるかもしんねぇってことか?」 「ありえねぇ話じゃねェ……。もしこの白い部屋が外からは感知できないようなもんだったら、クリアできなかったやつがその中でそのままおっ死んじまってる可能性は低くはないだろうよ」 爆豪が言うと物間も同意するように頷いた。 「死、死んっ……!? じゃあさっさとそのお題をクリアしねぇとじゃねぇか!」 「そ、そうだぜ! 鉄哲の言う通り!」 「はぁあああああ? そんなんわかってるんだよ! そのお題が問題なんだろう!?」 物間がいらだったように叫び、そしてびしっと指をさす。壁に書かれた文字。あ、と切島と鉄哲は黙りこんだ。 『この部屋を出たくばセックスをしなければならない』 何度見てみても、壁に浮かんだ内容は変わらない。 「…………」 「…………」 「…………」 「…………」 狭い部屋に沈黙が落ちた。 だが、すぐに切島がおずおずと口を開いた。 「セックスって……、そのあれだよな、やっぱあれをこうしてああする、あれだよな」 「は? 意味わかんねぇーわ」 「だから、じつはどっかの国ではセックスとはハグの意味である、とかそんなんねぇ?」 「知らねぇよ!」 「え、え〜と……、そうだ! 携帯は? 先生たちに連絡してなんとかしてもらえれば!」 切島はぱっと顔を明るくさせて携帯電話を取りだし、そしてすぐさま肩を落とした。 「圏外だ……」 「だと思ったわ!!」 「ってことは、外部からの助けは望めないってことか……?」 鉄哲はぽつりと呟いた。 するとどうしたのだろうか、突然に物間が、ばっ、と三人から距離を取るように後ずさると、壁にべったりと背をつけた。そして、先ほど事件の説明をしていた時の冷静な態度はどこへやら、動揺をあらわにした表情で物間は三人のことをにらんでくる。 「い、言っておくけど! 僕はぜぇええええったいにごめんだからね! お前らの誰かとそんなことすんの! 死んでもいやだから!!」 「あぁああああ!? んなもんこっちの台詞だ!! 死ね!!!」 物間はこれでもかというほど大きく怒鳴り、そんな物間に対し負けじと爆豪も大きく怒鳴った。ぐ、と拳を握る。まさに一触即発。 「つーかよぉ、わざわざクソみたいなお題なんてクリアしなくても、この壁ぶっ壊しちまえばいいだけなんじゃねぇのか? おっしゃ!!」 そのぴりぴりとした雰囲気を早々にぶち壊したのは鉄哲だった。 扉のない四角い真っ白の部屋はお題をクリアしなければ出られないと言う。けれど、出入り口がないのなら壁に穴を開けてそこから出てしまえばいいじゃないか? 単純明快にそう考えた鉄哲は拳を握ると己の個性を発動させ、そのまま壁に向かって殴りかかった。 しかし――。 「ッい、ってえええぇええ!?」 壁を殴りつけた途端に襲ってきた痛みに鉄哲は声を上げた。 「鉄哲!? おまっ、なんで素手で殴りつけてんだよ!? スティール化しろよ!!」 「は? いや! 俺はスティール化したぞ!! でも、なんでだ!? できてねぇ!?」 鉄哲は驚いた。だって、個性を発動させたつもりだというのに、発動できていなかったのだ。どうなっているのか。まじまじと素手のままの拳を見つめる。 すると、そんな鉄哲を見て爆豪が言った。 「無駄だ。この空間では誰も個性を使えねぇっつー話だ」 「はぁ!? それ先に言いやがれ!!」 「言う前に勝手にてめぇが先走ったんだろ。つーか、そもそもニュースを見てればわかってたことだ。文句を言うならニュースの一つもまともに見てねぇ自分自身に言いやがれ!!」 「ぅぐっ、そ、それはそうだがよォ!!」 もうちょい言い方ってもんはないのかこの男は。 鉄哲は思わず爆豪をにらんだ。だが、爆豪は鉄哲以上に鋭く目尻を吊り上げながら、文字の浮かんだ壁をにらみつけていた。 「あぁもうくそがぁああ!!」 爆豪が怒鳴る。それだけでは飽き足らず、爆豪は足を持ちあげると、壁を踏みつけるようにして蹴りつけた。だんだん、と二度、三度。 だが、その程度の蹴りでは壁はびくともしない。ただ重たい感触が返ってくるばかりで、壁の向こうに空間を感じることもなければ、人の気配が伝わってくることもない。 「まじふざけてんじゃねぇぞ!!」 まったくもってその通りだ。 さっさと爆豪への怒りを引っ込めた鉄哲は爆豪の叫びに同意した。 しばらくして、爆豪は壁を蹴りつけるのをやめた。大丈夫か爆豪、と切島が話しかけるが、不機嫌そうにだんまりを決め込む。 「お、おい……、どうすんだ?」 そんな二人を横目に鉄哲は物間に尋ねた。そうすれば、冷静を取り戻した物間は首を振ってみせる。 「わぁわぁわめいて無駄に体力を消費しても仕方がない。とりあえずは大人しく様子見ってところだろうね」 「様子見っつったって、それでどうにかなんのか?」 「じゃあ、なに? お前はあのお題をクリアできるって言うわけ!?」 びしっ、と物間は再度壁を指さす。 壁には変わらずに、あの一文が浮かんでいる。うぅ、と鉄哲はその文字を見ながら唸った。そしてひとつ思う。この部屋から出るにはセックスしろって、そんなことを言われても……。 「そもそも男だけしかいねぇーのに、どうやってセックスしろってんだ?」 「…………」 「…………」 「…………」 するとまたしても狭い部屋に沈黙が落ちた。 不自然なほどの静けさが部屋中に広がる。鉄哲は首をかしげた。なぜ黙りこむのか。それになぜ物間たち三人は、なんとも言えないような眼差しでこちらを見ているのだろうか。 「なんだよ」 「おい、こいつまじかよ……」 「だから、んだよ!!」 「いや……、うん、その……」 「鉄哲、わかんないならちょっと黙っててくんない?」 「切島! 物間! てめぇらまで!?」 「いいから! ちょっと黙ってろ!!」 「っ……、けっ! んだよこんちくしょー……!」 爆豪に呆れられ、切島には言葉を濁され、さらに物間に怒鳴られた鉄哲はその場にどすりと座りこむと、不貞腐れるようにそっぽを向いた。 べつに自分はなにも変なことは言っていないのに、どうしてこんな馬鹿にされるような扱いを受けなければいけないのか。まるで意味がわからなかった。 ◇ ◇ ◇ 四人はそろって床に座りこんでいた。 会話はなく、またしても狭い三畳の空間には沈黙が落ちていた。四人ともなにをするわけでもない。持っていた荷物もそのままに閉じ込められたから、この場には物間が買った大量の本が存在していたが、誰一人として暇つぶしのためにその本に手を伸ばすものはいなかった。 ただひたすらに沈黙を続ける。待っていればなにかしら部屋に変化が起こるのではないか。そう願って、静かに、辛抱強く。 なにも起きぬ部屋に変化があったのは、そこからさらに少しの時間が経った頃だった。 部屋自体には相変わらずなんの変化も起こることはなかったのだが、ふと切島が爆豪の傍にそろそろとすり寄ったかと思うと、耳元に口を寄せてなにやら小声で爆豪に話しかけはじめたのだ。 「なぁ、爆豪……」 「ぜってー、いやだ」 「まだなにも言ってねェだろ」 「言われなくてもわかる」 二人の声はこそこそとちいさいものであったが、いかんせん三畳の空間は狭すぎて、二人のちいさな会話は鉄哲の耳にも届いていた。 「でも、他に方法はねぇんだろ?」 「だからそれをいま考えてんだろうが」 「そーだけど……、浮かびそうか?」 「…………」 「個性は使えない、壁は壊せない。携帯は繋がらなくって、外部にこの部屋が認識されてるかもわからない以上、助けも望めない。だったらよぉ、もう残された手段は一つだろ?」 「っざけろ、だからってはいそーですかって言われるがままあのお題をこなせって言うのか? 冗談じゃねェぞ」 「それは俺だって同じ気持ちだよ。けどよォ!」 「けどじゃねぇ、俺はぜってぇにいやだ!」 「爆豪!」 「うるせぇ!」 「ちょっとー、さっきからうるさいのはそちらなんですけど? こそこそ話するつもりならもっと音量のほう抑えてもらえる? 全部、筒抜けなんだけど」 どんどんと声量の大きくなっていく二人の会話に物間が口を挟んだ。すると爆豪はぎっと目尻を吊り上げて物間をにらんだ。 「っうっせぇ! 聞いてんじゃねェ!!」 「はぁあああ? そっちが勝手に聞かせてきてんでしょ?こっちだって別に聞きたくないっつーの、あんたらのまぁーったく解決案にいたらないこそこそ話なんてさぁ!!」 「あぁあ!? んだとてめぇ!?」 「だってそうでしょー? それともなに、この部屋から出る方法思いついたんですかぁあ?」 「ッ、」 嫌みったらしく問うてくる物間に、うぐ、と爆豪は言葉に詰まる。その様子を見るにやはりいい脱出方法は見つかっていないようだ。 「それだけど、あのお題、俺と爆豪がするわ」 と、そう思ってたら切島が唐突に宣言した。 「は?」 「え?」 「ばッ、てめぇ……!?」 突然の切島の言葉に物間と鉄哲はぽかんと目を丸め、爆豪はぐわっと目尻を吊り上げて切島をにらんだ。 「え? き、切島? あのお題って、それって……」 「だから、俺と爆豪でセックスするって言ってるんだ」 「は……、はっ、ま、まじかよ、ちょっ、まじで言ってる?」 あれだけ、お前らでやれよ、と人に押しつけていたくせに、いざ切島にそう言われた物間は思いっきり動揺を隠せない様子でいた。かくいう鉄哲も切島の発言に驚愕していた。だって、いくらそうしなければ出られないと言われているからって、男同士でセックスなど。 「おいおい、待て待て切島、早まるなって」 「いや、早まっちゃなんかいねぇよ」 てっきり鉄哲は、切島は人が良く正義感が強いから、だから率先して嫌な役割を引き受けようとしているのだと思った。 しかし、切島は真剣な表情で首を振ると言ったのだ。 「実は俺と爆豪、付き合ってんだ」 それは、自分たちでセックスします発言と同じくらいに唐突で、同じくらいに衝撃的な暴露だった。 「…………あ?」 「…………は、はぁ?」 「おいこらクソ髪ィ!! てめぇなに言ってんだ!!!」 鉄哲と物間は先ほど同じリアクションを返してしまった。 爆豪は爆豪でやはり怒りをあらわに怒鳴っていた。切島の胸ぐらを乱暴に掴み、いまにも殴りかかりそうな険相で右手を握る。 だが、そんな爆豪を相手に切島が怯むようなことはなかった。胸ぐらを掴んでくる手と、強く拳を握る手、その両方の爆豪の手に自身の手を重ねると真剣な表情のまま爆豪を見つめた。 「爆豪」 「っ……、くそが!」 すると爆豪はすぐに、ぷいっと顔を背けた。ひどく苦々しそうな表情だ。 いきなりこんなことを言いだされたのだから当然だろう。しかしどういうわけか爆豪は、切島のいきなりの暴露に不機嫌を全開にしながらも、決して否定の言葉を吐こうとはしなかった。 「え、え、ちょっと、よくわかんない。なに? 冗談? 全然笑えないんだけど」 「冗談じゃねェーよ! こんなこと冗談で言うわけねェだろ!」 「どーだか、いっつもふざけたようなA組だからなぁ……」 「っざけんな、なら見てろ! これが証拠だ!」 切島はそう言うと、ぐ、と爆豪の腕を掴んでその身体を引き寄せたかと思えば、ちゅ、とちいさな音を立てながら爆豪の唇に口づけた。そこには一切の戸惑いなどありはしない。自然に、慣れた仕草で切島は爆豪の口づけたのだ。 「どーだ!!」 「ん、なッ……!? て、て、てめェっ、どーだじゃねぇわッ!!」 「わりぃ爆豪、でも俺たちの関係が冗談とか、そんなん許せるわけねェだろ!」 「でもじゃねぇよ!」 口を離した爆豪はますます、がおっ、と吠えた。 しかし、それでもやはり爆豪は、自分と爆豪は付き合っている、という切島の言葉を否定することはなかった。ただただ勝手に暴露をした切島に対して怒っているような態度に、まじでか、と鉄哲は呆然とするばかりだ。 「あぁもう!! ちょっと痴話喧嘩ならやめてくれる? いいよわかったよ冗談じゃないんだねはいはい。そんで? 君らがホモだかゲイだかなんか知んないけど、この状況を解決できるって言うならしてくれよ!!」 「痴話喧嘩でもなければホモでもゲイでもねェーわ!!」 「じゃあ君らは付き合ってないの!?」 「そッ、れは……、ぁ、ぐ……、て、てめぇらには関係ねェ!!」 「あぁそうかい! どうでもいいよ!!」 そう叫ぶと、物間はすぐさま二人に背を向けた。そして、両手で耳をふさぎながらさらに叫ぶ。 「どっちでもいいからするならするでちゃっちゃとすませてよね! 僕はなにも見ないし聞かないから! おいほら、鉄哲!!」 「え、あ、お、おう?」 君もさっさとしろ! と怒鳴られて、鉄哲は物間に習って二人に背を向けた。 すると、わりぃな、と後ろで切島が言った。なぜ謝るのか。鉄哲にはよくわからなかった。 いや、正直言って、なにがどうなっているのか、鉄哲はなにひとつとして理解できないでいた。あまりにも不意打ちなできことに、あまりにも唐突なカミングアウトに、そしてあまりにも性急な話の展開に、いまいち整理が追いつかない。頭はただただ困惑と驚愕であふれるばかりだ。 (まさか、切島と爆豪がそういう関係だったなんて……) 本当の本当に驚いた。 切島が随分と爆豪のことを気に入っているということ自体は鉄哲もよく知っていた。切島と話しているとよく爆豪の名が上がることがあったからだ。話の内容はいつだって楽しげで前向きなものばかりで、切島の言葉や態度の端々から爆豪への好意が感じ取ることができた。 そんな切島の爆豪への好意、それ自体を鉄哲は別段不思議に思ったことはない。爆豪は口は悪いし態度も悪いし嫌な奴だとは思うが、悪い奴ではない、と少なくとも鉄哲はそう認識していた。 体育祭前の人をモブとしか思ってもいないような態度には随分と苛つかせられたが、宣誓通りに1位を取ってしまった豪胆さは嫌いじゃない。一度はヴィランに捕らわれながらも、立ち止まらずにヒーローを目指し続ける胆力は好ましさすら覚える。そういう点では、爆豪を気にいっている切島の気持ちが、鉄哲には理解することができた。 だが、その好ましさがいったいなにをどうやったら恋愛感情になるというのか。そこらへんはあまりよく理解できなかった。だって、男同士だ。男同士であることにとくにこれといった嫌悪感自体は抱かなかったが、とにかく不思議で仕方がない。男が男を、恋愛感情で好きになるという感覚が。 (だってあの爆豪だぞ……?) たとえば爆豪が女と見間違えるような可愛らしい顔をしているというのであれば、まぁ、なんとなくだが理解することはできるかもしれない。だが、どこからどう見ても爆豪は男だ。顔の造りは整っているとは思うが、なにをどう間違ったって女には見えない。 顔だけじゃない。身体だって、爆豪はちゃんとした男子高校生の形をしている。肌の色こそ白いが、決して華奢ではない。女性のような胸があるわけでもなく、むしろ股間には鉄哲や切島と同じものがついているはずだ。 それなのにどうやってセックスをするというのか。鉄哲にはまるでわらなかった。 |
次→ |